ヴァリエテSAITAMA暫定版

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【手記】患者に寄り添う医療現場〜ある病院に入院して感じたこと

朝6時、看護師さんが患者1人1人に体温と血圧の測定、体調やお通じの回数など、きめ細かい聞き取りからスタートする。

「◯◯さんおはようございます。具合はどう?」

機械的ではない、愛情ある看護師さんの声かけは、とかく沈みがちな患者の気持ちを和らげてくれるのだ。

10時過ぎ、院長先生の回診が始まる。患者1人1人に対しにこやかに優しく語りかけ、決して上から目線ではない、血の通った回診は、病室全体の雰囲気も明るくなるのだ。

8月24日水曜日の朝、私は今まで体験したことのないような眩暈に襲われた。眩暈に襲われ朦朧とした中でも救急車を呼ぶことを躊躇い、福永信県議会議員川越市選出・公明党)の一般質問を思い出し、♯7000に先ず電話をかけた。

「その症状なら救急車呼んだ方が良いですよ」

オペレーターから言われ、119番にすぐ電話。10分も経たずに救急車はやってきた。救急隊員に抱えられ、救急車に運ばれ横たわった私は、無線のやり取りを聞いていた。どの病院に運ばれるのか、気になる。S病院は断られ、A病院は受け入れ可能のようだ。 受け入れ先が決まり安心したのか、A病院に着くまでの記憶はない。記憶があるのは、病院に着いてからだ。レントゲンを撮り、心電図を取り、院長先生の診断。

「ラムゼイハント症候群の疑いがあり経過を見たいから入院してほしい」

そう院長先生から告げられた時、普通は愕然とするところなのだろうが、院長先生の告知がソフトだったのか、不思議と安心感があった。

2日目以降は症状も治まってきたので、様々観察してみた。まだ私がいる病棟は軽症者が多いが、トイレに自力で行けない方など様々な介助が必要な方がいて、病院側も迅速に、そして丁寧に優しく対応していたのが印象的だった。

あと、入院と聞いて一番気になるのは、食事の面だろう。一般的に病院の食事は不味いと言われているが、この病院に関しては、献立も工夫され、美味しいのだ。多少塩気が薄いとかはあるが、それでも飽きないような工夫はされている。

シャワーも許可制だが、浴びることはできるし、不自由を感じることはない。

今回初めて入院をし、様々観察することができたが、この病院には、医療機関として最も大事にしなければいけない部分が揃っているのだ。もちろん医療設備を充実させることも大事だが、それ以前に、患者としっかり寄り添う気持ちこそ一番重要だと思うのだ。

今回お世話になった病院...えーい、言ってしまえ。秋葉病院(さいたま市南区)である。ただただ感謝、その一言である。(五楼)