ヴァリエテSAITAMA暫定版

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【五楼'sトーク】レストラン三喜、惜しまれながら53年の歴史に幕

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明日で3月を迎える。さいたま市緑区の見沼自然公園では、河津桜が咲き始め、だんだんと春が近づいていることが実感でき、ウキウキとしてくる時期である。しかし、3月といえば、卒業の時期でもある。その3月を待たず、今日で「卒業」しまうお店があるのだ。

 

1964年といえば、東京オリンピックの年である。時代は高度経済成長期で....なんて書くと白々しいが、私はまだ1才になるかならないかの時期に、「レストラン三喜」は、当時の浦和市仲町に誕生したのだ。以来53年間、お店を守り続け、味にうるさい浦和っ子たちを唸らせてきたのだが、諸般の事情で今日閉店することになった。若い頃、ホテルでみっちり修業し、浦和の地にやってきたマスターは、仕事には厳しい。でも、すごく優しい心を持った方なのだ。

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浦和っ子たちを唸らせてしまうくらい、マスターの作る料理は美味い。でも、単に美味いだけではなく、お客に対する愛情が見える美味さなのだ。マスターの創り出す料理は、どれも繊細でいて、奥深い味わいがあるが、栄養が偏らないようにと、サービスで出してくれる小鉢が、これまた美味しいのだ。

 

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マスターは福井県出身だが、その福井の名物料理「ソースかつ丼」も、しっかりメニューに加えるくらいだから、故郷への想いもしっかり伝わって来る。

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「レストラン三喜」でマスターを常に支えてきたのが、奥さんである。明るくお客を迎え、食べ終わり帰る頃には、来た時以上に楽しい気持ちにさせてくれる、そんな魅力ある奥さんなのである。

 

マスターが創り出す味だけではない。奥さんが創り出すお店の雰囲気も最高な「レストラン三喜」が無くなってしまうことが、本当に寂しくて仕方ないのだ。(五楼)