ヴァリエテSAITAMA暫定版

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アライグマによる被害が拡大〜埼玉県の対策と現状

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「アライグマが次から次に現れて畑を荒らすんだよ」

 

吉見町の、ある農家の方が深刻な表情で語ってくれた。 スイカやトウモロコシなど、収穫直前に食べ荒らし、畑を壊滅状態に追い込んでしまう、恐ろしい動物なのだ。

米原産のアライグマが何故我が国で野生化してしまったのだろう。1960年代に愛知県で確認されたのが最初である。1970年代、テレビアニメの影響でアライグマが人気となり、輸入が始まり、ペットとして飼う人が増えたのだ。しかし、アライグマは成長すればする程気性が荒くなり、決して人間に懐くことはない。そのため飼い主が飼いきれなくなり、遺棄したり、また脱走した個体が野生化したのだ。現在では日本全国で野生化したアライグマが多数確認され、埼玉県全域でも確認されている。

埼玉県では、外来生物法に基づき「埼玉県アライグマ防除計画」を策定し、捕獲、駆除を県内の各自治体と連携しながら実施している。

農業被害だけではなく、生態系にも影響を与え、さらに狂犬病など人獣共通感染症のキャリア動物なので、人への影響も懸念されている。

もしアライグマが現れたら、すぐ市町村に連絡をし、絶対素手で触らないでほしい。排泄物や血液に病原体が潜んでいる可能性が高いため、要注意だ。(五楼)